洋瓦の屋根塗装(モニエル瓦・スカンジア瓦)
洋瓦はコンクリート製のため熱を通しにくい断熱性にすぐれた材質ですので、
夏場の高温や冬場の寒さを遮断し室内の温度を保つ効果があり、
デザイン性にも優れているため多くの住宅に採用されていますが、
表面の特殊なコーティングが剝がれると、水分を多く含む性質があり、
苔や藻の発生で美観が悪くなるだけでなく、素材が脆くなる事で
ひび割れなど破損の原因となり、さらに劣化が進行すると
屋根の葺き替えが必要になり、修理費用が増加する事にもなりかねませんが
適切な時期に塗り替えを行うことで、瓦本来の性能と美観を長期間維持することができます。
このページでは塗装事例と価格まで掲載していますので、
洋風コンクリート瓦(モニエル・スカンジア)の塗り替えをお考えの方の参考になれば幸いです。
塗装前
![屋根の塗装前](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/9d23beb167d7869fd4aa783e4abe0b5e-e1585379489499.jpg)
高圧洗浄中に撮影しました。
高圧洗浄後
![屋根:高圧洗浄後](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/c723bf372f874a9f4aab0bea3302e71c-e1585380424408.jpg)
シーラー1回目
![屋根:シーラー塗装1回目](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/581429e66f077774bd975468e6c32549-e1585381376327.jpg)
1回目のシーラーは完全に吸い込んでしまいますが コンクリート素地に深く
浸透し素材内部から塗膜を形成することで、瓦自体に撥水性を持たせます。
これにより、今後は色が剥げても水分を吸い込まない瓦になります。
シーラー2回目
![屋根:シーラー塗装2回目](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/e9bdea32a06ef5fcd8edfeeee4bd6cdd-e1585381710697.jpg)
シーラー2回目でもなお吸い込みがあります。
シーラー3回目
![屋根:シーラー塗装3回目](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/7415fd2d571a0679cadd63dc784db347-e1585382084545.jpg)
シーラー3回目で吸い込みが止まり 表面に透明の膜が張りました。 雨水がしみ込まない様に 瓦の深部から表面まで緻密な塗膜で固めます。
フィーラー2回塗り
![屋根:フィーラー塗装](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/b7e14d1c124545f9df288bf12abae67d-e1585382902433.jpg)
フィーラーとは表面をなだらかにする塗料です。 目に見えない小さな巣穴もフィーラーで塞ぎます。 メーカーの仕様では1回塗りなのですが 規定の膜厚が1回では付かないため 2回塗りしています。
完成 上塗り2回
![屋根塗装完成](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/dcddf9e5e139f479e6044d3e96aae9ba-e1585387069340.jpg)
合計7回塗りでようやく完成です。 保証は10年ですが、20年経過しても剥がれる事はありません。
使用塗料
洋瓦の塗装にはエーエスペイント製を使用しています
(日本ペイントグループ)
シーラー:「洋瓦シーラー」
強溶剤タイプのエポキシ系です。
抜群の浸透力があり、瓦内部から塗膜を形成するため
塗料が剥がれる事がありません。
ちなみに
水性タイプは浸透力が乏しいため
1回塗りで表面に塗膜が形成されます。
よって工賃も塗料代も安くつきますが
ペラペラ剥がれますので
次回の塗り替え時に多額の下地処理費が必要になりますし
次回の塗装もすぐに剥がれてしまいます。
フィーラー:「エクセルガード」
厚塗りができるためファンデーション効果のある
カチオンタイプのエポキシ系フィーラーです。
ちなみにカチオンとは
プラス(+)に電荷した塗料です
塗装物はマイナスイオンを帯びていますので
磁石のように引き合うことで
抜群の密着力を有しています。
上塗り:「Uトップ」
強溶剤タイプの2液型ポリウレタン塗料です、
「なぜウレタン?」と疑問を持たれた通な方にご説明します。
一般に塗料の耐久性は上から
「フッ素」「シリコン」「ウレタン」「アクリル」
と評されますが、これは光沢保持率のみでの評価です。
塗料の耐久性を計る場合、密着維持率(剥がれない力)
のほうが重要だと思いませんか?
密着力は上から「強溶剤」「弱溶剤」「水性」となり、
各種ともに2液硬化型タイプが1液型より勝っています。
過酷な環境に曝されている屋根の塗装において
光沢保持率と密着維持率を総合的に考えた場合
弱溶剤や水性より剥がれにくく
水性のシリコンより光沢保持率の高い
2液硬化型 強溶剤のウレタンが最も優れているのです。
↓こんな風に「剥がれたら意味ないでしょ」って話です。↓
![屋根の塗料の剥がれ](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/KC4D0308.jpg)
追伸
こちらのページで紹介した2液硬化型 強溶剤のポリウレタン塗料が製造中止となり
現在では2液硬化型の弱溶剤塗料が最も密着力の高い屋根塗料となりました。
塗り重ね回数は傷み具合により3回から5回塗です。(2021.12)
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![](https://ehimepaintclub.com/wp-content/uploads/2024/01/5-1.jpg)