洋瓦の屋根塗装(モニエル瓦・スカンジア瓦)
洋瓦はコンクリート製のため熱を通しにくい断熱性にすぐれた材質ですので、
夏場の高温や冬場の寒さを遮断し室内の温度を保つ効果があり、
デザイン性にも優れているため多くの住宅に採用されていますが、
表面の特殊なコーティングが剝がれると、水分を多く含む性質があり、
苔や藻の発生で美観が悪くなるだけでなく、素材が脆くなる事で
ひび割れなど破損の原因となり、さらに劣化が進行すると
屋根の葺き替えが必要になり、修理費用が増加する事にもなりかねませんが
適切な時期に塗り替えを行うことで、瓦本来の性能と美観を長期間維持することができます。
このページでは塗装事例と価格まで掲載していますので、
洋風コンクリート瓦(モニエル・スカンジア)の塗り替えをお考えの方の参考になれば幸いです。
塗装前
高圧洗浄中に撮影しました。
高圧洗浄後
シーラー1回目
1回目のシーラーは完全に吸い込んでしまいますが コンクリート素地に深く
浸透し素材内部から塗膜を形成することで、瓦自体に撥水性を持たせます。
これにより、今後は色が剥げても水分を吸い込まない瓦になります。
シーラー2回目
シーラー2回目でもなお吸い込みがあります。
シーラー3回目
シーラー3回目で吸い込みが止まり 表面に透明の膜が張りました。 雨水がしみ込まない様に 瓦の深部から表面まで緻密な塗膜で固めます。
フィーラー2回塗り
フィーラーとは表面をなだらかにする塗料です。 目に見えない小さな巣穴もフィーラーで塞ぎます。 メーカーの仕様では1回塗りなのですが 規定の膜厚が1回では付かないため 2回塗りしています。
完成 上塗り2回
合計7回塗りでようやく完成です。 保証は10年ですが、20年経過しても剥がれる事はありません。
使用塗料
洋瓦の塗装にはエーエスペイント製を使用しています
(日本ペイントグループ)
シーラー:「洋瓦シーラー」
強溶剤タイプのエポキシ系です。
抜群の浸透力があり、瓦内部から塗膜を形成するため塗料が剥がれる事がありません。
ちなみに水性タイプは浸透力が乏しいため
1回塗りで表面に塗膜が形成されます。
よって工賃も塗料代も安くつきますがペラペラ剥がれますので
次回の塗り替え時に多額の下地処理費が必要になりますし
次回の塗装もすぐに剥がれてしまいます。
フィーラー:「エクセルガード」
厚塗りができるためファンデーション効果のある
カチオンタイプのエポキシ系フィーラーです。
ちなみにカチオンとは
プラス(+)に電荷した塗料です
塗装物はマイナスイオンを帯びていますので
磁石のように引き合うことで
抜群の密着力を有しています。
上塗り:「Uトップ」
強溶剤タイプの2液型ポリウレタン塗料です、
「なぜウレタン?」と疑問を持たれた通な方にご説明します。
一般に塗料の耐久性は上から
「フッ素」「シリコン」「ウレタン」「アクリル」
と評されますが、これは光沢保持率のみでの評価です。
塗料の耐久性を計る場合、密着維持率(剥がれない力)
のほうが重要だと思いませんか?
密着力は上から「強溶剤」「弱溶剤」「水性」となり、
各種ともに2液硬化型タイプが1液型より勝っています。
過酷な環境に曝されている屋根の塗装において
光沢保持率と密着維持率を総合的に考えた場合
弱溶剤や水性より剥がれにくく
水性のシリコンより光沢保持率の高い
2液硬化型 強溶剤のウレタンが最も優れているのです。
↓こんな風に「剥がれたら意味ないでしょ」って話です。↓
追伸
こちらのページで紹介した2液硬化型 強溶剤のポリウレタン塗料が製造中止となり
現在では2液硬化型の弱溶剤塗料が最も密着力の高い屋根塗料となりました。
塗り重ね回数は傷み具合により3回から5回塗です。(2021.12)
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